デロイト・コンサルティングのレポートによれば、2005年における12のハイテク都市のベンチャー・キャピタルからの資金調達額をランキングすると、その内の上位5都市とその金額は以下の通り;


シリコン・バレー    7、901($M)
ボストン            2,084
ポートランドオレゴン     1,866
シアトル             1,038
ワシントン DC          967

となり、シリコン・バレーのシェアーは48%を占めている。


住宅費を含めた生活費の面から見ると、当地は12都市の内、ニューヨークとサンディエゴに続き3番目に高負担の都市である。それにもかかわらず、何故世界中から優秀な人材が集まるかと言うと、その主な理由は優秀な大学の集積とベンチャー・キャピタル集積の類まれなる結びつきにあると、レポートは述べている。


たまたま、10月05日付けのサンフランシスコ・クロニクルと言う新聞に2006年のノーベル賞受賞の関連記事が出ていた。 これを見ると当地がどれほど優秀な人材を集めているのかが良くわかる。
この記事は10月01日の週に連続して2006年ノーベル賞を受賞したスタンフォード大学のAndrew Fire(医学)、 Roger Kornberg(化学)及び UC Berkelyの George Smoot(物理)各教授に関するものである。どうして当地がノーベル賞を量産できるのか(これまで54個のノーベル賞を獲得している。)と言う理由を、当地の世界レベルの3つの大学、スタンフォード大学,UC Berkely、UC SFが50-マイルの円周の中に存在することだと述べている。


その記事の中にあった、1989年にノーベル医学賞を受賞したUCSFの総長 Michael Bishop博士の言葉を英文のままコピーすると以下のとおり;


“Biotechnology sprang up here for a reason.
Silicon Valley sprang up here for a reason.
There is a spirit of innovation and risk-taking here
that draws world-class faculty.”


注 #1:

ご興味がある方は、先の新聞記事をそのまま読んでください。 また、たまたま見つけた、東芝から東北大学に移られた、舛岡教授の関連記事と比較すると面白いと思いますので、時間があったら読んでください。


BRAINY BAY AREA YIELDS 3 NOBELS DO THE MATH: Three world-class research institutions -- Stanford, UC Berkeley and UCSF -- within a 50-mile radius

http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2006/10/05/MNGBOLINSH1.DTL&hw=Nobel+Prize&sn=004&sc=705


【ニュースを斬る】ノーベル賞“空振り”に憂う日本の未来
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20061006/111277/


注 #2:

GoogleYouTubeに関する日本の新聞記事であまり触れられていない点を補足すると、GoogleのVenture Capital投資家は Sequoia Capital とKleiner Perkins Caufield & Byers 、YouTubeのVC投資家は Sequoia Capital単独である。 つまりセコイアはクライナーを出し抜いて、2度大きな投資成果を得たことになる。
このような大型のハイテクM&Aの影には、凄腕のベンチャー・キャピタルの動きがあることを見落としてはならない。