米国ハイテク投資 01・2007〜(3) Q3 2006 VC Investment

3.Q3 2006 VC Investment


11月24日に発表された、プライス・ウォーターハウス・クーパースと米国ベンチャー・キャピタル
協会(NVCA)によって作成されたMoneyTree Reportによる。


2006年第3四半期のベンチャー・キャピタル投資は、金額ベースで$62億ドル、件数ベースで
797件を記録した。 これで3四半期連続して60億ドルを越えたことになる。
当期では、シード・アーリー・ステージへの投資と、通信、メディア・娯楽、産業・エネルギーへの
投資が引続き伸びた。 また楽観的な予測を背景に、初回投資が顕著に伸びていること注目したい。


NVCAのプレジデント、Mark Heeesen によれば、“VCは、これから5年から7年と言う長期を
見据えた本来のVC投資のスタンスを取り戻し、比較的長期の良好な環境が期待できる。”と述べている。



分野別投資動向


バイオテクノロジーとメディカル・デバイスを合せた、ライフ・サイエンスの分野が引続き注目されており、
当期では$18億ドル、177件の投資を集めた。


ソフトウエアー分野は第2四半期と比べ、金額及び件数で各々19%と24%の減少を示し、$10.9億ドル、
186件の投資であった。 ソフトウエアー分野は全体に占める割合は、金額ベースで18%、件数ベースで
23%を占めるが、当期の投資実績は1996年以来の低い数字であった。


産業・エネルギー分野は引続き上昇し、6年振りに高い数字、$5.76億ドル、45件を記録した。
この内オルターナティブ・エネルギーの投資額は$2.74億ドルであった。


通信分野は2002年以来もっとも多くの資金;8.48億ドル、72件を集めた四半期であった。


インターネット・ビジネス分野は、11億ドル、154件で、直近4年間で最も資金を集め、全投資額の
17%に達した。


他に目のついた分野は、メディア・娯楽、小売・流通、金融サービス、コンピュータ関連機器などである。
逆に半導体、ネットワーキングおよびITサービスなどは減少した。


分野別投資動向では、全体投資金額に大きな変動が無いのと対照的に、分野間でかなり大きな変動があった;
特にライフ・サイエンス分野が、金額ベースでソフトウエアー分野を飛び越して首位になったことは注目に
値する。また通信分野が久々に強さを示した。しかしながら件数ベースでは従来どおりビジネス関連に
最も関心が集まっている。