”GAO”と言う米国政府機関の名を聞いたことがありますか?

私はFBIFRBくらいは知っていましたが、GAOと言うのは聞いたことは無かったし、従って何をやっている組織かも全く知りませんでした。
8月30日付けのワシントン・ポスト紙の記事を転載した当地の新聞で初めて知りました。
GAOは議会付属機関で正式にはThe U.S. Government Accountability Officeと言う名前で、政府の監督を業務とする組織だそうです。


その記事によると、GAOは9月4日に提出するイラク情勢の報告書の原案について、米軍増派後の治安、政治、経済各分野の改善目標18項目の内3項目しか達成されていないとの厳しい評価を下していると報じています。


この記事を読んで私が驚き又感動したのは、記事の内容もさることながら、このような機関が議会内に付属機関として存在していると言う事実です。


米国の民主主義のベースには、“誤って肥大化した権力は必ず腐敗する。”と言う一つの考えが横たわっています。
多くの難問を抱えた国の解決手段として裁判での陪審員制度や個人の銃保持の容認、また議会のチェック機構としてGAOのような機関を設けている動機になったように思います。


ある米国人の友人が言っていたが、“特に官僚はゴールとして利益追求は出来ない。その代わりに彼らが求めるのは権力の増大、つまり自分の影響力のある部下をいかに多くするかというところに焦点を当てがちである。それは常に経済原則と矛盾する。従って我々国民は常に彼らの行動をチェックする必要がある。“というものです。


この考え方は、日本の徳川時代からの伝統、すなわちお上(権力)には常に従う、ひれ伏す(長いものには巻かれろ、泣く子と地頭には勝てぬ)という伝統とは対象的と思われます。(このテーマについては又機会があったら改めて述べたいと思っています。)


ただいまやグローバリゼーション、インターネットの時代であり、もっと日本も変わらねばならない時であり、権力に対する考え方を180度変えると共に、GAOのような機関が必要ではないかと感じます。


“もし日本にGAOのような機関があって、今回のような大事になる以前に社会保険庁その他の政府機関の評価をし国民に結果を明らかにしてくれていたら、後始末に費やされる膨大な経費、国策に費やすべき時間、人件費・・・などの無駄はどれほど抑えられたか?“
と考えると、最近の政府不信の増大を解決すべく、日本にもこのような機関の設置を真剣に考えるべきだと思うのですが皆さんはどう思われますか 。